【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
まずい…
泣いてるとこ、見られちゃった…!
「ご、ごめんっ。
これは汗でっ、熱いよねっここ…!」
必死に涙を拭いながら、笑顔を取り繕って立ち上がった瞬間、坂口くんがグイッと私の腕を掴んだ。
「なぁ、ふたりで同窓会抜けようぜ?
俺、ふたりきりになれる、良いとこ知ってるんだ」
「えっ…?
でも、私は綾世の…」
「あいつのことなんて、もうどうでもいいだろ!
ほら早くっ」
「や、やっ…」
ふたりきりなんて、なんだか怖いよ…っ。
だけど坂口くんの手を振りほどこうにも振りほどけず、今にも連れられそうになった時だった。
パシッ
そんな音が聞こえたかと思うと、誰かの手によって、坂口くんの手が私の腕から引き離されていた。
「これ、俺のもんなんで、気安く触らないでもらえますか」
坂口くんから庇うようにして、今、私の目の前に立ってるのは……
「綾世……っ」