【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
なっ、なんで綾世がっ…?
「お、おまえはっ、榛野のっ」
口をパクパクさせて真ん丸に見開いた目で綾世を見つめていた坂口くんは、はっと我に返り、綾世をビシッと指差した。
「おっ、おまえなんかより、俺の方が榛野といた時間は長いんだからな!」
すると、綾世は不敵な笑みを浮かべた。
そこには余裕さも含まれていて。
「ふーん。
でもこいつは俺にぞっこんですし。
奪えるもんなら奪ってみてください。
どうせ、こいつはやらないんで」
「んなっ!」
絶句する坂口くんそう言い放った綾世はこちらを振り返り、私の手を取った。
「ほら、行くよ」
「う、うんっ…」
私は手を引かれるままに、綾世に着いていく。
考えるよりも先に、足が動いていたんだ ───。