【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
すると、綾世は口を開いた。
その瞳は真っ直ぐで。
「なんとも思ってねーやつを彼女にするほど俺はバカじゃないよ。
双葉はさー、俺の気持ち考えたことある?」
綾世の気持ち……?
「…んー、あんまない」
「おい」
だ、だってさ!
綾世の気持ち分かりづらいじゃん!
人類の中でもトップクラスくらいに、分かりづらいと思うよ!?
「綾世の気持ちって、なに?」
首を傾げた瞬間だった。
ふわっと甘い香りが鼻についたかと思うと、気づけば綾世の腕の中にいて。
「っ……」
それは一瞬の出来事。
私……今、綾世に抱きしめられてる…っ?
「分かれよバカ」
甘い声が耳をくすぐり、心臓はもう爆発寸前で。