【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
あれあれ……?
これってもしかして……
「綾世、ヤキモチ…妬いてるの?」
すると、
「は? 双葉のくせに調子乗るな。
バカなこと言ってないで、ん」
そうはぐらかしながらも、綾世は私の前に手を差し出した。
「え? 何が欲しいの?
残念ながら、私何も持ってないよ?」
手をぴらぴらと振る私に、綾世は「ばーか」と言うと、フッと大人びた微笑を浮かべた。
「手、繋ぎたいんでしょ?」
「ーーっ!
う、うんっ! 繋ぎたい……!」
私はドキンドキンッと慌ただしい鼓動を感じながら、おずおずと手を伸ばし、
───ギュッ
その手を握りしめた。
わわわ…っ。
綾世と手繋いじゃった…っ。
私の手を包んでくれる綾世の大きい手に、ドキドキはもう最高潮。
でも、大好きな人と手繋げるってなんて幸せなことだろう。
私の手を引き歩く綾世の背中を見つめながら、私はそんなことを思った。