【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
ああ……。
心の真ん中にぽっかりと大きい穴が空いちゃったみたい……。
ガックリとこうべを垂れ、落ち込んでいた時だった。
「双葉」
突然名前を呼ばれ顔を上げると、綾世がぽんぽんっと自分の口の横を指していて。
そして、それが口についてるプリンを指してるんだとすぐに気づく私。
示されたところをペロッと舐めるけど、綾世は首を小さく振って、またぽんぽんっと自分の頬を指す。
んー、取れない…
と苦戦して舌を伸ばそうとしていると、綾世が不意に腕を伸ばして。
その指が私の頬に触れた。
「……っ」
「食べ方まで小学生レベルじゃん」
綾世はそう言って小さく苦笑したけど、私はそれどころじゃない。
綾世が触れただけで、胸がドクドクと騒ぎ出して。
触れられた部分が熱を帯びていき、頬が赤く染まっていくのを感じる。