【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
と、美桜香がいたずらっ子みたいにクスッと笑った。
「あら、残念。
その必要はいらないみたいよ?」
「は? どういうこと?」
意味が分からずにいる俺の問いには答えずに、美桜香は腕時計に目をやった。
「あら、もうこんな時間だわ。
早く家に帰って荷造りしないと。
じゃあね、綾くん。
また会えて、ちゃんと話せて良かったわ」
ひとり早口でそう言うと、サッと立ち上がり、俺に背を向けスタスタと歩いていこうとする美桜香。
そういうとこ、変わってないじゃん。
悲しい顔になりそうになると、それを悟らせまいと早口になる強がりなとこ。
「美桜香」