Addictive Gummi
「悪いものって、そのプレミアム版アディグミが……? そんなに危ないもの?」
禁断症状だの、急にはやめられないだのと聞く限り、まるで麻薬のようじゃないか。
うちの看板商品のアディグミが?
そんなに危険な物だなんて、嘘でしょ?
「プレミアム版は、普通のアディグミのヤミツキ成分を濃くしたもので、中毒性が強いんです。それでもドカ食いしなければ大丈夫だったのかもしれません。私は二日で三百個、試作品を食べてしまったんで」
「二日で三百個!? どうしてそんなに……」
「一個食べると、次々食べたくなって。モニタープレゼントするはずの試作品を、全部食べてしまいました」
ああ、そうか。
高島さんは営業部広報課のなかで、プレゼント企画の担当だった。SNSの自社アカウントの『中の人』として、日常的な呟きをしたり、商品の感想をリサーチして拡散したりしていた。
モニタープレゼントするはずだった、プレミアム版アディグミを、全部自分が食べてしまったのか。
あさひ部長が言っていた『高島さんが横領』というのは、きっとそのことだ。