オフィスのくすり
「なんでそう思うの?」
「今、FAXの女の話するとき、旦那のこと考えてたろ?
和泉の方は見てなかったし。
和泉とだったら、両思いだ。
お前が夜叉になる必要はない」
「そうね……」
と私は蛍光灯の灯りにぼんやり白く光る天井を見上げ、溜息をついた。
「さっき、和泉が別の女の子の話をしたとき、あまり嫉妬を感じなかった。
これがあの人だったら、腹が立つんだろうなとは思ったわ。
けど、それは自分が夫婦という立場で、あの人に拘束されているのに、そんな話をされると腹立たしいってだけのことなのかもしれないけど」
あーあ、と私はソファの背に腕を伸ばして、倒れ込む。
「恋愛ってめんどくさいわね。
いっそ、仕事だけして生きてたいわ。
気持ちよく仕事して、ゆっくりお風呂入って、美味しいビール呑むの。
それで人生満足じゃない」
「だったら、何度も結婚すんなよ」
そう漏らしながら、井上は枝豆をつまむ。
「今、FAXの女の話するとき、旦那のこと考えてたろ?
和泉の方は見てなかったし。
和泉とだったら、両思いだ。
お前が夜叉になる必要はない」
「そうね……」
と私は蛍光灯の灯りにぼんやり白く光る天井を見上げ、溜息をついた。
「さっき、和泉が別の女の子の話をしたとき、あまり嫉妬を感じなかった。
これがあの人だったら、腹が立つんだろうなとは思ったわ。
けど、それは自分が夫婦という立場で、あの人に拘束されているのに、そんな話をされると腹立たしいってだけのことなのかもしれないけど」
あーあ、と私はソファの背に腕を伸ばして、倒れ込む。
「恋愛ってめんどくさいわね。
いっそ、仕事だけして生きてたいわ。
気持ちよく仕事して、ゆっくりお風呂入って、美味しいビール呑むの。
それで人生満足じゃない」
「だったら、何度も結婚すんなよ」
そう漏らしながら、井上は枝豆をつまむ。