隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「一煌……そういうことは女の子に言っちゃダメだよ」
一聖の優しいフォローに黙って頷いていたけど、一煌からさらに厳しいお言葉が。
「一聖は琴に甘すぎなんだって。
ちょっと気を抜くと太ったって騒ぐのは毎度のことだし」
うぅ……、返す言葉がないけど、そこまで言わなくてもいいじゃない。
今も変わらず一聖の方が優しいけど、昔はこれでも一煌の方が優しくて可愛かったのに。
小さい頃は弱虫の泣き虫で、いつも私のあとばっかりついて歩いてくる子だった一煌。
目がクリクリで本当に女の子みたいに可愛い外見で、よくお母さん達が面白がって、私と姉妹なんて言いながら一煌に女の子の格好させたりして。
そのアルバムは今でも大事に取ってあるけど、一煌は『屈辱的な思い出』って言ってて、その話をすると怒る。
ほんとに凄く可愛かったのに、どうしてこんなに大きくなっちゃったのかなぁ。
一聖と同じ178センチの身長に、艶のある触りたくなるような黒髪の猫っ毛。
切れ長の二重だけど、涼しげな目元、男の子なのにふっくらと柔らかそうな色気のある唇。
一聖も同じパーツの持ち主だから、パッと見は本当に見分けがつかない。
でも、私は生まれた時からずっと一緒にいるせいか、一煌と一聖をすぐに見分けられる。