隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「琴羽シャープペン貸して」
「もしかしてペンケース忘れたの?」
一煌がわざわざ私の席までやってきて、手を差し出してくる。
「昨日誰かさんが一緒に宿題やろうって言うから、鞄に入れ忘れたんですけど」
一緒に宿題やろうって言ったのは私だけど、そんな私のせいで忘れ物したみたいな言い方しなくても。
「もう、わかったよ。仕方ないからお気に入りの貸してあげる」
一煌の手のひらにお気に入りのピンク色の可愛いシャープペンを乗せると、途端に嫌な顔をされた。
「俺は別に普通のやつでいいんだけど」
貸してあげたのに文句が多いんだから。
なんて言ったら、また忘れ物したのは誰のせいだとか責められるから言わないけど。
そんな私たちのやり取りを見ていた真子ちゃんは、目をぱちくりとさせている。
「どうしたの?」
「えっと……一聖君?」
「いや……」
戸惑いながら一煌に向かって尋ねた真子ちゃん。