隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~



やっぱり見分けつかないよね。


「真子ちゃん、ここにいるのは一煌だよ。

ちょっと口が悪くなるところが大きくなってからの悩みなんだけど」


「それは琴羽の悩みであって、俺の悩みじゃないし」


「琴ちゃんって本当に凄いんだね」


いきなりこんなことを言う真子ちゃんに、今度は私の方がきょとんとしてしまう。


何が凄いの?と目で返す私に、一煌もわからないと言った表情を浮かべている。


「毎回思うけど、一煌君と一聖君を見分けられるのって琴ちゃんくらいだよ。

どうやって見分けてるの?」


ワクワクした感じで私に聞いてくる真子ちゃんだけど、見分け方なんて考えたこともない。


今までだって、いろんな人に2人の見分け方について何度も聞かれたことはあるけど、私もよくわからない。


強いて言えば、分け目の違いくらい……かな?


「2人を見分ける方法は、私にもよくわからないんだよね」


あははと乾いた笑いを返す。


「琴ちゃんにもわからないってことは、きっと一目見ただけで見分けられる魔法の目を持っているってこと!?」


そんな期待に満ちた目で見られても、至って普通の目ですけど。

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