隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~



楽しそうに真子ちゃんと話す一聖を気付かれないようチラッと見る。


私と一煌といる時とはまた違う一聖を見るのは新鮮。


みんなに平等に優しくて、穏やかな性格の一聖が女子から人気あるのは知ってる。


一聖のことをカッコイイって言ってる女子たちの気持ち、私にもよくわかる。


今は気持ちを伝える勇気はないから秘密だけど、私も一聖のことが好き。


一聖のことを幼なじみじゃなくて、異性として意識し始めたのはいつからだったかな。


小さな頃からこんな人になりたいって憧れがあって、隣にいると凄くドキドキして、この気持ちは何だろうって気付いたのは中学生になってから。


小学生まで身長は私と目線が合う高さだったのに、中学に上がった途端に一煌も一聖も急に身長が伸びて声変りもしちゃって。


今までと何も変わらない2人なのに、外見はどんどん大人びていった。


だから、一聖のことを意識するようになったのは、本当にごく自然だった。


「琴ちゃんがいつも一聖君と一煌君をすぐに見分けるから凄い能力なんだって話をしてたの」


少し興奮気味に話す真子ちゃんに、何かを考える素振りを見せた一聖はすぐににっこりと笑う。


「真子ちゃんの言う通りかもしれないね。琴ちゃんには凄い能力があるのかも」


えっ!? 一聖まで何を言い出すの?


私にそんな能力ないってわかってるはずだし、それに一煌がせっかくフォロー入れてくれたのにこれじゃあ……。


そろ~っと一煌を見ると、やっぱり何してんだって顔してた。


一聖は優しいからきっと真子ちゃんに話を合わせてあげたんだよね。


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