隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「やっぱり! 一聖君もそう思うんなら間違いないよね」
特殊な能力あることになっちゃった。
「私にもそんな力があればいいのにな」
興奮気味に話していた真子ちゃんが突然声のトーンを絞ってポツリと零す。
真子ちゃん……?
「杉崎さんにはそんな能力必要ないと思うよ」
ふいに顔から笑顔を消した真子ちゃんを気にかけていた私の頭の上に急に重みが加わる。
「ちょ、重い~」
ぐぐぐ……と右腕で私の頭に体重をかけてきたのは一煌。
嫌がる私なんか気にも留めずに真子ちゃんにこんなことを言う。
「琴羽のバカが移るから、ないものはねだらない方がいいしね」
「そ、そうなのかな」
真子ちゃんへの言い方はそれはそれは優しさが溢れるほどだったけどもね。
「ちょっと~、それって遠回しに私がバカって聞こえるんだけど」
「なんだ、自分でちゃんと自覚あるじゃん。ま、そういうことだよ」
「もう! 一煌!」
体重をかけていた一煌の腕から逃れるとポカポカと叩いて抗議する。
「あー、もっと右が凝ってんだよな」
私をマッサージ機か何かと勘違いしてるみたいだけど。
もう何でこんなに意地悪なの!
私と一煌のやり取りを見ていた一聖にも、真子ちゃんと一緒に笑われてしまった。