隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~



「一煌ってなんであんなに意地悪なんだろ」


私の何となく放った言葉に隣で体操着に着替えていた真子ちゃんがきょとんとする。


「そうかな? 一煌君は優しいと思うけど」


そうだよね。一煌って私以外の人には基本優しいんだよね。


「琴ちゃんは幼なじみだから気を許してるんじゃないかな。
他人には見せない顔ってあると思うし」


そうなのかな。ちょっと違う気もするんだけど。


「私から見てる限りでは、一煌君は琴ちゃんのこと嫌いじゃないと思う」


体操着の丸襟から顔を出した私は、眉を寄せる。


「嫌われてるとは思ってないけど、好かれてるって感じもしないし。
べ、別に一煌に好かれたいとかそういう意味じゃないけど」


慌てて自分で自分にフォローをする私に真子ちゃんは何気なく尋ねてきた。


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