隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「なわけないし。
一聖だって本当は羨ましいんじゃねーの?
俺だけ琴にネクタイ結んでもらってるから」
一煌てば、何言い出すのっ。
「そうだなぁ。今度俺も結んでもらおうかな?」
「えっ!? あ、えっと……」
一聖のネクタイを私なんかが結んでいいの……?
困惑していると、一聖の大きな手が頭に乗せられる。
「冗談だよ。琴ちゃんは一煌の世話で手一杯だからね」
「俺が琴の世話をしてやってるんだよ。
つか、一聖……そうやって意味もなく触るのやめろよ」
もう朝ごはんを食べ終わったらしい一煌は立ち上がると、私の頭の上にあった一聖の手を退かした。
それにクスッと笑った一聖は、入れ替わりで椅子に座って朝ごはんを食べ始めた。
なんだ……今の冗談だったんだ。
ちょっとだけ本気にしちゃった。