隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「え? 一煌なら今日は日直だからって早く出ていったけど」
「え……あ、そうなんだ。聞いてなかったから」
「そうなの? おかしいなぁ、琴ちゃんには伝えてると思ったのに」
そっか。一煌先に行っちゃったんだ。
ちょっとホッとした自分がいた。
「あ、琴ちゃん」
呼ばれたと思ったら一聖の指先が私の下瞼の辺りに触れる。
それにドキッとする。
「ここクマができてるよ。
寝不足はお肌に悪いからあんまり夜更かししないようにね」
にっこりと笑った一聖にドキドキと高鳴っていた音は段々と静かになっていく。
「う、うん。そうする」
よかった、一聖は気付いてないみたい。
こんなこと一聖に言えるわけがない。
一煌にキスされたなんて。
「ちょっと早いけど学校行こうか」
複雑な気持ちで一聖と学校に向かった。