隣のキミに恋した場合。~幼なじみの甘い誘惑~
「レオンは琴ちゃんのこと大好きだよね」
朝ごはんを食べていた一聖も終わったらしく、レオンの頭を撫でにくる。
でも実は、相馬家の中でレオンがいちばん懐いてるご主人様は、一煌なんだよね。
私の手から軽やかに降りたレオンは、長い尻尾を優雅に揺らして、ソファに座っていた一煌のところへ迷わず向かう。
一煌の膝の上に乗ったレオンは頭や顎をご主人様に撫でられて、喉をゴロゴロ鳴らしている。
気持ちよさそうだなぁ。
こういう可愛いところを見ていると、私もペットを飼いたいと思っちゃう。
だけど、一煌に前に言われたことがある。
『俺の世話で手一杯なのに、ペットなんて飼ったら寝る暇なくなる』って。
確かにそうなんだけど、一煌のお世話って小さい頃からやってるから、もう癖になってるっていうか。
「準備できたし、学校行くよ」
「はーい」
時計を見るともう家を出る時間になっていた。
私が慌ててソファ横に置きっぱなしにしていた鞄を手に取るのを見て、一煌もレオンを降ろして玄関に向かってきた。
私と一煌と一聖。
生まれた時からお隣さんで何をするのにもずっと一緒に育ってきた。
幼稚園も小学校も中学校も高校もずっと3人一緒。
「今日もいい天気だね~」
雲ひとつない青空を見上げて歩く私を真ん中に挟んで歩くのが、私達3人が出かける時のスタイル。