大好きだよ、今も。
「率直に申し上げます。

手術は成功しました。」

柚花の母が口を開く。

「じゃあ、柚花は…?」

「非常に申し上げにくいのですが、こちらで考えていたよりずっと進行していました。」

………

誰もしゃべらない。

みんなこの先言われることを予想していたのだろう。

「全身に転移していて、もう手の施しようがない状態です。

このままでは…

もって3週間といったところです。

さらに、下半身に麻痺が残ります。」

頭を殴られたようだった。

え?

柚花はあんなに元気だったのに。

あと1ヶ月もないのか?

それにもう柚花の足では歩けないのか?

信じられなかった。

そのあとも何かを話していたが、耳に入ってこなかった。

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