大好きだよ、今も。

廊下に出る。

衝撃で、信じられなくて。

足の力が抜けて、その場に座りこむ。

泣き出してしまった。

周りの目も気にならないぐらいに。

無言の柚花のお父さんが支えてくれた。

差し出された手につかまり、ゆっくり立ち上がる。

沈黙を破ったのはやはり柚花のお母さんだった。

「優斗くん、優衣ちゃん…

今言うのもどうかと思うんだけど…

毎日来いなんてことは言わない。

けれど、来てくれたときは、絶対に柚花の前で泣かないでほしいの。

親バカなのはわかってるんだけど、やっぱり柚花はみんなが泣くと泣くし、楽しくなると柚花も楽しくなる。

敏感な子なの。

だから、お願い。

柚花の前で泣かないで。」

うなずいたが、泣かないで耐える自信がなかった。

ただひとつ決めたのは。

「柚花に残りの人生を謳歌させる。」

神様。

まだあなたに柚花は渡せません。