大好きだよ、今も。
午後になり、パジャマから、ワンピースに着替えた。

バスケ練習を見に行ったときの服だ。

優斗くんが迎えに来て、タクシーに乗った。

車で20分。

久しぶりに見た外で、ずっと外を眺めていた。

優斗くんの家では、とにかく話した。

優衣と、淳くんもきた。

なんかWデートみたい。

みんなで熱唱したり。

病気のことを忘れられる時間だった。

でも楽しい時間はすぐ過ぎる。

帰る時間だ。

優衣たちと別れ、2人でタクシーに乗る。

行きはワクワクしながらみた景色。

帰りはたださみしいだけだった。

でも。

病室までついてきた優斗くんにキスをされた。

優斗くんも初キスだって。

嬉しくなって、もう一回してもらった。

ファーストキスは、涙の味。

それも、悲しい涙じゃなくて、優しい、あったかい涙の味だった。

< 149 / 176 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop