大好きだよ、今も。
どれぐらい時間が経ったかわからない。

柚花は目を覚ました。

なんとか一命は取り留めたみたいだ。

「優斗くん…」

酸素マスク越しに聞こえる小さな声。

柚花は生きてる。

安心したら、涙が出てきた。

バカ、泣いてる場合じゃないのに。

死にそうで一番苦しいのは柚花なのに。

でも、涙は止まらなかった。

「…優斗くん…

泣いてるの?

わたし、生きてるから!」

なんとか涙を止め、笑顔を作った。
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