大好きだよ、今も。
柚花は死んだ。

「優斗くん。

柚花と話してあげて。」

俺と柚花は2人きりになった。

そっと柚花の手を握る。

柚花の手を触って、愕然とした。

いつも暖かかった柚花の手は氷のように冷たかった。

そのとき、初めて泣いている自分に気づいた。

ポタ、ポタ

思えば、柚花に言えなかった

「ありがとう」。

謝ってばっかりで。

「柚花…

嘘だよな?

いつもみたいに起きあがってよ、

いつもみたいに笑ってよ、

いつもみたいに…」

柚花は本当に眠るような顔だった。

だから、よけい柚花はまだ生きてるんじゃないかって思う。

最期までみんなのことを考えて、笑顔だった柚花。

なぁ、柚花。

柚花のいなくなった世界で、どうやって生きていけばいい?

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