大好きだよ、今も。
「実は、あの人は、俺の姉さんなんだ。

今イギリスで仕事してて、帰ってきてたから。

もうすぐ柚花の誕生日だろ?

だから、プレゼント選びに付き合ってもらったんだ。」

そうだったんだ。

「柚花、誕生日おめでとうおめでとう。

はい、これ。」

プレゼントをゆっくり開ける。

「うそ…」

そこには、ペアリングがあった。

「柚花、手出して。」

丁寧に優斗くんが指にはめる。

わたしも優斗くんの指にはめる。

「今はこんなんだけど、いつかはちゃんとした指輪渡すから。」

涙が溢れる。

なんてことを考えてたんだろう。

「ごめんなさい…」

頭をわしゃわしゃ撫でて、

「泣き虫柚花ー」

と言って笑った。
< 44 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop