大好きだよ、今も。
翌朝。

寝不足でふらふらする体にムチを打ち、学校へ行った。

「優衣。ちょっといい?」

深刻そうな顔をしていたのだろう。

すぐに察して、2人で屋上へ行った。

屋上は本当は立ち入り禁止だから、誰もこない。

このことを話すには最適の場所だった。

「で?結果はどうだったの?」

沈黙を破ったのは優衣。

ゆっくり話し始めた。

「脳腫瘍だった。

悪性で結構進行してて、手術では取り除くことは出来ないんだって。」

すごくショックそうな、悲しい顔をしていた。

「このままだと、余命3か月なんだ。」

ついに優衣は涙を流した。

「そっか…

キーンコーンカーンコーン

チャイムがなる。

教室に戻ろうとしたら、優衣に止められた。

「1時間目はサボろう?

ほら、柚花。思う存分泣いていいよ。」

その一言で、病気のことを聞いてから初めて泣いた。
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