大好きだよ、今も。
「なんで…?」

どうしよう、そこまで考えてないよ。

「好きな人ができたの。

ね?わたしのこと嫌いになったでしょ?

だから別れよう。」

とっさについた嘘。

苦しそうな顔をした優斗くん。

気がつくと遊園地は乗った場所に戻ってきていた。

降りて、歩き始める。

「嫌いになんかならないよ。

ねぇ、柚花。

今日の笑顔も言葉も全部嘘だったの?」

「ぜーんぶ嘘。

じゃあね、優斗くん。

今までありがとう。」

嘘じゃないよ。

走って遊園地を出る。

優斗くんが追ってこないのを確認して、泣いた。

泣いたというより、泣きたくなくても涙が溢れ出ていた。

ぽろぽろ

回りの人が振りかえるぐらい泣いた。
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