彼が嘘をついた
バスケ大会と嫉妬心
隼人くんの誕生日から10日がたった。

この週末はバスケ大会があるので、若手男性社員は残業なしで各自練習をしているみたいだ。
…隼人くんも、ヒロくんと一緒にシューティングをしてから帰ってくる。

あれからも、私と隼人くんの関係は変わらない。
ほぼ毎日、私の部屋に夕食を食べにくる。
…翌日が休みの金曜日、そのまま私の部屋に泊まったけど。

バスケ大会当日は、美鈴先輩と、楓恋と3人で見に行くことにした。
真由子は他会社の友人と一緒に行くみたいだ。

大会前日の金曜日、いつものように隼人くんがご飯を食べに来た。
メニューは、お肉と野菜がたくさんとれるように酢豚と玉子スープだ。

「これ、明日の日程な」

食後にそう言って渡された用紙には、バスケ大会の詳細が書かれている。
3チームの総当たりになっていて、うちは1試合目と2試合目。
2試合目と3試合目の間にお昼の時間を挟むから、うちだけが試合が続くようになる。
体育館は8時に開いて、試合開始は9時。
最初は朝日製粉との対戦だ。

「俺、早く行ってアップするから。
遥、弁当作って来てくれる?」

「うん、もちろん!
ちゃんと試合に間に合うように行くからね」

隼人くんは申し訳なさそうに言うけど、私はお弁当を作るつもりでいた。
だから、そう答えた。
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