彼が嘘をついた
結局その試合は、73対38で勝利した。
頑張ってスコアつけに集中したけど、隼人くんと彼女の関係が気になって仕方ない。
「五十嵐くんとあの子、どんな関係かな?」
それを口にしたのは美鈴先輩だ。
「……………」
「……あれだよね。
真由子ちゃんの友達だし、学生時代の友達なんじゃない?
真由子ちゃんと五十嵐くんは従兄弟だし、真由子ちゃんと仲のいい女の子が、五十嵐くんと親しくても不思議はないんじゃない?」
何も言えない私に変わって、楓恋がそんなふうに言ってくれる。
「…そっか、そうかもね…」
先輩も楓恋の意見を肯定して頷いたとき、ベンチから真由子たちの声が聞こえてきた。
「大樹、お疲れ様」
「隼人もナイスプレーだったよ。
でも次は敵だから、手加減してよね」
そう言って、隼人くんの腕に触る彼女。
……おもしろくない!
美鈴先輩と楓恋も、呆然とその様子を見てる。
私たちの視線に気づいて、何人かの選手が上を見上げる。
それに気づいて上を見た兄と目が合った。
「佐久間さん、下に下りてきて。そこからじゃスコア付けにくいだろうから、次の試合はベンチに入って!」
「……はい、分かりました。すぐに行きます!」
私は兄に返事をしてから隼人くんを見た。
まだ彼女に腕に触れられたままで嫌そうな顔をしていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。
頑張ってスコアつけに集中したけど、隼人くんと彼女の関係が気になって仕方ない。
「五十嵐くんとあの子、どんな関係かな?」
それを口にしたのは美鈴先輩だ。
「……………」
「……あれだよね。
真由子ちゃんの友達だし、学生時代の友達なんじゃない?
真由子ちゃんと五十嵐くんは従兄弟だし、真由子ちゃんと仲のいい女の子が、五十嵐くんと親しくても不思議はないんじゃない?」
何も言えない私に変わって、楓恋がそんなふうに言ってくれる。
「…そっか、そうかもね…」
先輩も楓恋の意見を肯定して頷いたとき、ベンチから真由子たちの声が聞こえてきた。
「大樹、お疲れ様」
「隼人もナイスプレーだったよ。
でも次は敵だから、手加減してよね」
そう言って、隼人くんの腕に触る彼女。
……おもしろくない!
美鈴先輩と楓恋も、呆然とその様子を見てる。
私たちの視線に気づいて、何人かの選手が上を見上げる。
それに気づいて上を見た兄と目が合った。
「佐久間さん、下に下りてきて。そこからじゃスコア付けにくいだろうから、次の試合はベンチに入って!」
「……はい、分かりました。すぐに行きます!」
私は兄に返事をしてから隼人くんを見た。
まだ彼女に腕に触れられたままで嫌そうな顔をしていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。