彼が嘘をついた
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そして、遥が出て行ったあとの佐久間家では…
「あーぁ。遥、行っちゃいましたよ。
俺、一応、隼人に連絡します」
遥に追いつけなかった大樹は、食堂に戻ってくるとすぐに携帯を取り出して、隼人へとメールを送った。
「遥ちゃん、あんなにお見合いを嫌がっていたのに、ちゃんと相手も知らせないで…、可哀相ですよ」
「そうですよ。
遥ちゃんが落ち着いたら見るように、写真と釣書だけでも渡せば良かったのに…。
当日、相手を知ったら、遥ちゃんはどう思うのか…」
孝志と洋子は、遥の味方だ。
「…いや。
どうせ渡しても、あいつは見ないですよ」
対して、兄の晃は遥のことを良く分かっている。
「隼人と連絡つきました。遥が行ったら、連絡が来ることになってます」
大樹が晃に知らせる。
「ありがとう。
…大樹はどう思う?今回のお見合い」
「俺ですか?
まぁ、何も知らされない遥が可哀相だとは思うけど…。
あとは相手の説明次第ですよね…。
遥がちゃんと話を聞いて、分かってくれたらいいんですけど…」
大樹の言葉に、全員が頷いた。
………………
それから約1時間後。
大樹の携帯に、隼人からメールが入る。
"遥がびしょ濡れになって帰って来た"と…
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