彼が嘘をついた
翌日は7時に起きた。
すぐに顔を洗い、洗濯機を回すと、朝食の準備を始めた。
今朝はフレンチトーストが食べたい気分で、フレンチトーストとカフェオレにした。
今日の昼食は、スターホテルの中華レストラン『雅(ミヤビ)』と聞いた。

食べたものを片付けて、洗濯物を干すと、冷蔵庫の中をチェックする。
…もう週末なので、大した食材が入ってない。
戸棚の中に、パスタとパスタソースが入っていたので、今日の夕食はパスタにしよう!
さすがに、お見合いの帰りに、近くのスーパーやコンビニで買い物をするほど無神経ではない。

それから簡単に、リビングと寝室·トイレとお風呂場の掃除をすると、いい時間なので出かける準備をする。

メイクも髪も、和馬さんがやってくれるので、丁寧に髪を梳いて、顔には化粧水と乳液を塗り潤いを与える。
くるぶしにワンポイントのあるストッキングを穿き、オフホワイトのインナーの上に、スーツのジャケットを着た。
バックにハンカチとティッシュ·財布に手帳に携帯電話に、一応、化粧ポーチも入れる。

最後に全身をチェックして、おかしくないことを確認する。
少し早いけど、部屋を出ようとした時に、私の携帯電話が着信を告げた。
電話の相手はヒロくんだ。

「もしもし…」
私は電話に出た。

< 157 / 198 >

この作品をシェア

pagetop