彼が嘘をついた
俺の気持ちは、最愛の人·佐久間遥に届いたかどうか分からない。
それでも俺は、想いをすべて伝えた。

あれから、ウェイターがエビチャーハンと卵スープを持って来た。
それを3人で、黙々と食べた。
その後すぐに、小籠包と杏仁豆腐も来た。
杏仁豆腐は遥の好物のはずだけど、あまり嬉しそうじゃなく、黙々と食べる姿がちょっと哀しい。
まぁ、そうさせてしまったのは俺だけど。

デザートまで食べ終わると、大樹は遥を促して先に個室を出る。
俺は、その後ろ姿を見送ることしかできなかった…

2人が帰り、俺も個室を出ると、ホテルのラウンジでコーヒーを注文した。

ブラックのまま飲みながら、やっぱり考えるのは遥のこと。

彼女はまた、俺の隣に戻ってきてくれるのだろうか?

彼女と過ごした、この半年を信じるしかない。






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