彼が嘘をついた
日曜日の夕食は、たいていヒロくんと一緒に食べていた。
どちらかに予定があったり、実家に呼ばれたりしなければ、一緒に買い物に行って私が作る。

「そうだなぁ…。今日はカレーが食べたい」

「うん、分かった。
じゃあ、カレーとサラダにしよう!
多めに作るから、冷凍にしておくといいよ」

私はじゃがいも·人参·玉ねぎ、それにサラダ用のレタス·きゅうり·トマト·ブロッコリーをヒロくんの持つカゴに入れた。
カレー粉に、サラダのドレッシングは、まだ在庫があったな。

「カレーのお肉はどうする?
ポーク?チキン?それともシーフード?」

ヒロくんに聞くと、

「うーん。シーフードがいいかな」
と言うので、シーフードミックスを1袋入れた。

その他にも、朝食用のパンに卵·ウインナーと牛乳なんかも入れてレジに向かった。

レジで会計をしてマンションに戻ると、早速、お米を研いで、野菜を切って、夕食の準備をする。

7時前には、シーフードカレーにサラダ·デザートにフルーツヨーグルトの夕食が出来た。

私の部屋で、ヒロくんと向き合って食べるのは、いつものこと。
そして、いつもは仕事のことなどを話していたけど、今日は違った。

「来週からは、こうして一緒に夕食を食べるのはやめよう」
ヒロくんが言った。




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