彼が嘘をついた
「……………」

私は何も答えられない。

「…ねぇ遥。
話したくないなら、無理に話さなくてもいいよ。
でも、覚えていてね。
私も、楓恋も、陽菜も、遥のことを心配してるって…。
もしかしたら聞くだけしか出来ないかも知れない。それでも、少しでも遥の力になりたいの」

「先輩………」

私の瞳から涙が溢れた。
陽菜ちゃんがティッシュ箱を差し出してくれて、楓恋が背中を優しくさすってくれる。
先輩は、優しく私を見つめたままで…。

落ち着くまで楓恋は背中をさすってくれて、そのとき私は、
(この3人なら打ち明けても、大丈夫。
私のことを受け入れてもらえる)
そう思った。

「楓恋、陽菜ちゃん。ありがとね」
2人にお礼を言う。
「先輩も、ありがとうございます」
先輩にも、お礼を言う。
そして、3人を見ながら続けた。
「…3人に、私の話しを聞いてもらってもいいですか?
私自信も、まだ混乱していて、うまく話せないと思うんですが…」

3人は顔を合わせると頷き合って、
「…いいよ。
遥のペース·タイミングで話して。私たち、ちゃんと聞くから」
先輩が代表で言ってくれた。

『頭の中を整理するには、声に出すのがいいんだって』
ヒロくんが言ってたな。
3人に話すことで、私も整理することが出来るのかな?





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