彼が嘘をついた
先輩の問いに、ゆっくりと頷いた。
確かに驚きはしたけど、彼のことはまだ好きだ。

「そうなんだ。
じゃあ、五十嵐くんが遥に隠し事をしていたことは許せる?」

「……………」

すぐに答えられなかった。
隠し事をされた寂しさを、すぐには許せないと思うから。

しばらく考えて、
「…分からない、です」と答えた。

先輩は頷くと、
「うん、そうだよね。すぐには分からないよね。大事なことだから、ゆっくり考えていいんだよ。
ちゃんと考えて、しっかり結論を出して。
…遥の未来は、遥自身が決めるんだよ!」

「…私の、未来…?」

「そう、遥の未来。
最終的には2択になるんだよ。
五十嵐くんと一緒の未来を選ぶのか、彼じゃない人と一緒の未来を選ぶのか…。
決めるのは遥だよ」

先輩は私を見ながら、ゆっくり諭すように話してくれた。
私は先輩の言葉を理解して、しっかり頷いた。

「…分かりました。
先輩、ありがとうございます。
じっくり、ゆっくり、ちゃんと考えてみます」

私も先輩を見つめて、はっきりと宣言した。

「…私たちは、遥の決めた未来を応援するからね!」

先輩も、楓恋も、陽菜ちゃんもしっかり頷いてくれて、とても心強い。

その後、話題は楓恋と陽菜ちゃんの恋バナになり、4人でガールズトークをして、気づくと朝になっていた。



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