彼が嘘をついた
お互いの部屋の前で別れると、
「泊まる準備出来たらすぐに来い。一緒に車で行こう。
夕食の買い物も付き合うから」
ヒロくんは、そう言ってくれた。

言われた通り、着替え一式と部屋着·洗面用具にタオルをバックに入れて部屋を出ると、同じくバックを持ったヒロくんが待っていてくれた。

「じゃあ、行こうか」
言いながら、私の荷物も持ってくれるヒロくん。
駐車場に向かって歩いて行く彼の後ろをついていく。

鍵を開け、トランクにバックを入れると、
「いつものスーパーでいいのか?」
と聞かれ、
「うん。お願い」
と答えた。

「了解!」
ヒロくんは言って、車をスタートさせた。

いつも食材を買っているスーパーに着いた。
実家に行くのは久しぶりで、冷蔵庫に何が入っているか分からない。
なので、余ったら自分で使うように、お米や醤油や味噌などの調味料·お肉に魚に野菜に玉子など、今日の夕食と、明日の朝食の食材を買った。
ヒロくんがいてくれたから、お米や調味料を買うことが出来た。

支払いをし、エコバッグに詰めたら、重いものはヒロくんが持ってくれた。
そして、そのまま車を発車させる。

「今日の夕食は何?」

「あっ…えっと。
鰆の西京焼きと、肉じゃが、きんぴらごぼうに茶碗蒸し·あさりのみそ汁·ご飯。
デザートに抹茶ババロアかな」
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