彼が嘘をついた
ランチに来たのは、いつも行列が出来るイタリアンレストラン。
12時半に予約が入っていたみたい。
12時には着いたから、時間変更の連絡をしたみたいで、すぐに席に通された。

4人で相談して、いろんな料理をみんなでシェアすることにした。
サラダ·ピザ·ローストビーフを1皿づつ、パスタはクリームソースとトマトソースを1皿づつオーダーした。
ドリンクは、全員がアイスティーだ。

「今度は、やっぱりディナーに来たいな」

サラダとローストビーフを取り分けながら、真由子がヒロくんを見ながら言う。

「…あぁ。そのうちな」

そのお皿を受け取りながら、ヒロくんは答えた。

そんな2人を見ていると、"恋人同士"と言う感じもするけど、どこか違和感も感じる。
私が知ってる普段の2人と違うのだ。

ふとヒロくんを見ると、

「遥、美味しいか?
俺と隼人からのお礼だから、遠慮しないでしっかり食べろよ」
と言ってくれて、

五十嵐くんを見ると。笑顔で頷いてくれた。

「ありがとう。
すごく美味しいよ」

2人にそう返すと、真由子からの視線を感じた。

ランチの間、ずっとそんな感じ。
正直言うと、あまり味なんて分からなかった…




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