彼が嘘をついた
キスの意味と本気の告白
こうして私は、久しぶりに五十嵐くんと出掛けることになった。

「遥がイヤじゃなければ、ドライブがてらちょっと遠くまで行かない？」

「…あっ、うん…。
お任せします！」

「じゃあ、30分後に出よう。
玄関に呼びに行くよ」

「うん」

こうしてベランダで約束を交わした。
すぐに部屋に戻った私は、洗濯物をそっちのけでクローゼットを開けた。
突然の誘いに、何を来て行こう…？
軽くメイクもして、髪もセットしたいから、あまり服を選ぶ時間もない。
すぐに目についた水色のノースリーブの膝上のワンピースに、白いボレロを合わせることにした。
髪はハーフアップにして、ワンピースと同じ水色のシュシュで纏めた。
いつも通りのメイクをして、バックにハンカチやティッシュ·お財布が入っているのを確認すると、約束の30分なんてあっという間で、玄関のチャイムが鳴った。

「はーい」
と返事をしてドアを開けると、やはり五十嵐くんがいた。

「大丈夫か？
すぐに出発できる？」

「うん、大丈夫」

私は急いでパンプスを履いてバックを持つと、玄関の鍵をかけて彼の後ろについて歩き出した。

マンションの駐車場まで来て、彼が車の助手席を開けてくれる。

「ありがとう」と乗り込み、すぐにシートベルトを閉めた。


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