彼が嘘をついた
席に戻ると、ナイフとフォークがセットされ、スープとサラダがテーブルに届いていた。

…一応のテーブルマナーは出来る。
私はスプーンを手にすると、スープを飲み始めた。

スープとサラダを食べ終わると、しばらくして食器が下げられた。
そしてすぐ、メインの料理が運ばれてくる。
私が注文したハンバーグは、ふっくらとしていて、ナイフで切ると肉汁が出てくる。
味も見た目を裏切らず、ふっくら柔らかくて、しっかりお肉の味がして美味しい！

（んー、美味しい）

心の中でそう言いながら食べ続けた。
しかしそれも、目の前の彼にはバレているみたいで、
「喜んでもらえて良かったよ」
そう言われた。

確かにデザートのチョコレートケーキ＆バニラアイスまで、美味しくいただいた。

会計は、彼がカードで一緒に払ってくれて、車の中で、
「私の分、払うよ」
と言ったけど、
「付き合い始めのデートなんだから、カッコつけさせて」
と言われ、払うのを諦めた。

「その代わり、明日の夕食は遥の手料理が食べたい！」
とも言われて、
（…付き合うって、こういうことなんだ…）
と実感した。

「うん、分かった。
ありがとう。そして、ごちそうさまでした」
お礼だけはしっかり伝えると、

「…いや。
明日の夕食、期待して待ってる」
と、プレッシャーをかけられた。
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