オトナチック
４・俺の婚約者に手を出すな
嫌がらせは続いていた。

深夜にベランダから窓をたたく音がしたので何事かと思ってベランダの方に顔を出したら、地面には潰れた生卵が散らばっていた。

誰かが窓に向かって生卵を投げつけてきたのだと言うことがわかった。

そのせいで、窓が生卵でベチャベチャになっていた。

郵便ポストにハトの死骸を入れられたこともあった。

「ひどいことをするもんだな…」

近くの広場でハトのお墓を作りながら、杉下くんが悲しそうに呟いた。

彼のその様子に、私は口を閉ざすことしかできなかった。

全ての犯人は新一だと言うことはわかっている。

だけど、新一がやったと言う証拠が見当たらないからどうすることもできない。

何もすることができないのが悔しくて、私は強く唇を噛んだ。
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