オトナチック
一刻も早く杉下くんから離れないといけない。

でないと、新一は杉下くんに何をするのかわからない。

私のせいで、杉下くんがこれ以上傷つけられるのはごめんだった。

もしかしたら、今度はケガだけじゃ済まされないかも知れない。

自分でもコンビニで何を選んできたのかわからなかった。

オフィスへと戻ると、
「大丈夫か?

顔色が悪いぞ?」

杉下くんが私に駆け寄ってきた。

彼のデスクに視線を向けると、食べかけのカップラーメンが置かれていた。

私と別れた後で買ってきて、ここでお昼ご飯を食べていたみたいだ。

「杉下くん…私、ホテルに泊まるから」

呟くようにそう言った私に、杉下くんは訳がわからないと言う顔をした。
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