オトナチック
「2LDKの家だから、1つくらいだったら部屋を提供してやる」

そう言った杉下くんに、
「本当に、いいの…?」

私は聞いた。

「俺がいいって言ってるんだ」

「おまたせしましたー」

杉下くんが言ったのと同時に、先ほど頼んだメニューが運ばれてきた。

私の前にはミートソーススパゲッティとオニオンスープ、杉下くんの前にはハンバーグセットが置かれた。

「じゃあ、食べようか。

食べ終わったら家に案内するから」

そう言った杉下くんに、
「うん、ごめんね」

私は言った後、フォークを手にした。

「高浜」

杉下くんが私の名前を呼んだ。
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