オトナチック
カチャッと、皿のうえにフォークとナイフを置いた。

「――杉下くんが作ったみそ汁が食べたいな…」

そう呟いたら何だか悲しくなって、私は水を口に含んだ。

杉下くんを守るために、私は彼の家から出て行った。

1人でご飯を食べるのは初めてじゃない、むしろなれているはずだ。

なのに、とても寂しくて仕方がない。

「――正解、だったのかな…」

これ以上杉下くんに危害をくわえて欲しくなかったから、私は家を出ることを選んだ。

それが1番の方法で、正解だと思っていた。

だけど、今はそれが間違っているような気がした。

じゃあ、私はどうすればよかったのだろう?

どうやって、杉下くんを守ればよかったのだろう?
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