オトナチック
私は杉下くんを見つめた。

杉下くんはフッと笑うと、
「こう言う場合は“ごめんね”よりも“ありがとう”だ」
と、言った。

「えっ…?」

それって、どう言う意味なの?

思わず聞き返した私に、
「高浜だって謝られるよりもお礼を言われた方がずっといいだろ?

それに、悪いことをした訳じゃないのに謝るのはおかしいだけだろ?」

杉下くんは笑いながら答えた。

「そ、そうだね…。

ありがとう、杉下くん」

お礼を言った私に、
「どういたしまして。

さ、冷めないうちに早く食べようか」

杉下くんが両手をあわせた。

私も彼のまねをするように両手をあわせると、
「いただきます」

一緒にあいさつをすると、食事に取りかかった。
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