オトナチック
ファミレスのメニューでよく見かける、ミートソーススパゲッティとオニオンスープのはずだ。

なのに、どうしてこんなにも美味しく感じるのだろうか?

「うん、美味いな」

杉下くんは美味しそうな顔でハンバーグを食べている。

すごいな、ナイフとフォークの使い方がとても上手だ。

上品なその使い方に、彼は両親に大切に育てられたんだなと私は思った。

「どうした?」

杉下くんが私の視線に気づいたと言うように聞いてきた。

「えっ…ううん、何でもない」

私は首を横に振ると、フォークを動かした。

杉下くんは1度首を傾げた後、また食事に集中をした。

とりあえず、変な目で彼を見てしまったことに私は心の底から反省をした。
< 13 / 326 >

この作品をシェア

pagetop