オトナチック
「さっきも言ったけど、約束をさせてくれ。

今度何か問題が起こったら、必ず相談しろ。

俺も一緒に考えるし、場合によっては助けに行く」

眼鏡越しに見つめてくる真剣なその瞳に、
「うん」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「よし、もうこの話は終わりだ。

今日は炒飯で許す。

早く戻るぞ」

そう言って背中を見せて歩き出した杉下くんの後を追うように、私も歩き出した。

杉下くんは私の炒飯が食べたいって言ったけど、炒飯にもいろいろなバリエーションがあるんだよね。

でも、最初の時に作ったのがいいのかな?

そう思っていたら、この状況がとても楽しいことに気づいた。

炒飯に使う具は何にするかって考えているだけなのに、これがとても楽しいなんて。
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