オトナチック
食事を終えると、
「じゃあ、俺が払っておくから」

杉下くんはコートのポケットから財布を取り出すと、テーブルの隅に置いてある会計伝票を手に持った。

「ありがとう」

私はお礼を言うと、荷物を手に持とうとした。

ヒョイとボストンバックが上にあがった…と思ったら、杉下くんがそれを手に持っていた。

「あっ…」

そう言った私に、
「1つだけ持ってやるよ」

杉下くんが言った。

「でも…」

「どうせ一緒の家に帰るんだ。

これくらいのことはさせてくれ」

そう言った杉下くんに、
「ありがとう…」

私はお礼を言った。
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