オトナチック
帰りの電車は空いていると言うこともあってか、私たちは座席に座ることができた。

「もうそろそろで春だな」

窓からオレンジ色に染まっている空を見ながら、杉下くんが話しかけてきた。

「そうだね」

彼の隣に座っている私は言い返した。

チラリと杉下くんに視線を向けたら、
「何だ?」

彼と目があった。

「ううん、明日もいい天気になるといいなって思って…」

そう言った私に、
「ああ、今週は天気がいい日が続くって。

相変わらず寒いけれど」

杉下くんは笑いながら答えた。

「本当に、いつになったら温かくなるんだろ?」

そう言った私に、
「桜が咲いたら温かくなるんじゃない」

杉下くんが言い返した。
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