オトナチック
「…人違いじゃないんですか?」

杉下くんが言った。

「俺、寺本なんて言う人を知りません。

あなた、何か勘違いをしているんじゃないですか?」

「す、杉下くん?」

杉下くんは動揺をしていた。

「でも…」

「とにかく、俺は寺本って言う人を知らないです。

失礼します。

高浜、行くぞ」

何かを言おうとしている寺本さんをさえぎるように、杉下くんは私の手をつかんだ。

「えっ、ちょっ…!?」

寺本さんから逃げるように、私は杉下くんにマンションの中へと連行された。

どうしたの?

一体何があったって言うの?
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