オトナチック
「杉下くん!」

バスルームへ向かって走ると、ドアをたたいた。

「どうした?」

バスルームのドアが少しだけ開いたと思ったら、湯気と一緒に杉下くんが顔を出した。

「大変なの!

今病院から電話があって、おばあさんの容態が急変したって!」

叫ぶようにそう言った私に、
「な、何だって!?」

杉下くんは大きな声を出して聞き返した。


タクシーに乗って病院へ行くと、駆け込むように病室へと入った。

「先生、ばあちゃんは!?」

杉下くんは医師に叫ぶように聞いた。

医師は杉下くんから目をそらすようにうつむくと、
「何とか間にあいましたが、油断はまだできません」
と、言った。
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