オトナチック
青白い顔のまま、杉下くんはヘナヘナとその場に座り込んだ。

「杉下くん、大丈夫?」

私もその場に座り込んで、杉下くんの顔を覗き込んだ。

「あ、ああ…」

杉下くんはつらそうに息を吐いた。

「高浜、お前はもう帰っていい。

ばあちゃんは、俺が見ているから…」

そう言った杉下くんに、
「そんなのダメだよ」

私は首を横に振った。

「私もおばあさんのそばにいさせて」

そう言った私に、
「そうか…」

杉下くんは呟くように返事をした。

本当は、杉下くんにもうつらい思いをして欲しくなかった。

おばあさんの容態が急変したと聞いたとたん、杉下くんは顔を青くした。
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