オトナチック
私、初めて杉下くんと手を繋いだ。

…って言っても、立ちあがるために杉下くんの手を借りただけなんだけど。

「なあ、高浜」

杉下くんが私の名前を呼んだ。

「何?」

「さっきの告白の返事だけど、時間をもらえないか?」

「えっ…?」

時間って、考える時間だよね?

そう思いながら杉下くんを見つめていたら、
「必ず返事をする。

それまで待っていてくれないか?」

杉下くんが言った。

必ず返事をする――その言葉には、ウソも偽りも見当たらなかった。

そもそも杉下くんは、そんな人じゃない。

でも、いつまで待てばいいの?

いつになったら、告白の返事をくれるの?
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